2008年03月25日

過食症とパーソナリティー障害

過食症と他の疾患との関連性です。


一口にパーソナリティー障害といっても、いろいろな種類があります。
その中で、過食症にもっとも関係が深いのは、
「境界性パーソナリティー障害」と呼ばれるものです。

この障害のある人は、一人でいることに大きな苦痛があり、この苦痛から逃れるために
人と付き合うのですが、安定した関係は築けず、気分も変わりやすいのが特徴です。
こういった不安定な関係の中で、衝動のコントロールがむずかしくなるのです。

たとえば、少し思い通りにいかないことがあると、暴力をふるったり、
死にたくなってリストカットや薬のまとめのみをするなどです。

過食があっても、このような行動を伴わない患者の方も多いのですが、
このような不安定性や、衝動性が見られる患者の方もいます。
中には、過食症状がでるまではこのような傾向がまったくなく、過食や拒食が
出始めてから、食べる/食べない、吐く/吐かないをめぐって、母子の関係が
急に不安定になり、衝動行為が現れてくる患者の方もいます。

一方で、以前から、対人関係はつねに不安定で、ある時期は過食が問題となるのですが、
本当はそれよりも、学校や会社などが長続きしない、すぐ死にたくなる、
などのパーソナリティーの問題のほうが深刻、という患者の方もいます。

過食がひどいときにさまざまな衝動行為が見られる場合、
「多種の衝動型の過食症」
と呼ぶこともあります。

過食に関連する症状を先に治療するべきか、それとも、境界パーソナリティー障害の
ほうの特徴、つまり対人関係や気分の不安定性を重視すべきかは、患者の方によって、
個別に考慮しなければならない問題です。
ニックネーム aimi at 19:17| Comment(0) | 過食症と他の疾患

2008年03月24日

過食症と『うつ』との関連性

過食症の、他の疾患との関連についてです。

うつ、落ち込みというのは、さまざまな精神疾患の中でもかなりの頻度の高いもので、
軽いものから重いものまでさまざまな程度があります。

気分が晴れず、考えが悪い方向へいきがちだけれども、日常生活には重大な支障は
ないものから、気力や判断力が極度に低下し、睡眠もとれなくなって、
日常生活ができなくなってしまうものまであります。

気分の範囲だけのうつは「うつ状態」と呼ばれることが多いのですが、この場合は、
日によって、あるいはその日の出来事によって、うつの気分も強弱があることが
多いのです。

日常生活にも大きな支障をきたす形のうつは、うつ病といいます。
これは最低2週間以上は1日中「うつ」が続くのですが、その時期が過ぎると
ほぼ普通の状態に戻るので、うつの時期とそうでない時期が比較的はっきりしています。

過食症にうつ病が合併することもまれではありませんが、
「うつ状態」は、
ほとんどかならずといってよいほど頻繁に見られる症状です。

少しでも過食したり太ったりすると、自分はどうしようもない人間だ、
生きていてもしかたがない、と気持ちが沈み込みます。

過食症には、このように、体重の増減などに連動して「一喜一憂」的に気分が
変動することが少なくありません。

このような一喜一憂なものは、過食症の治療とともにおさまっていきますが、
明らかにうつ病が合併しているときは、薬物療法などを用いて、「うつ」にも
積極的に治療を行なう必要があります。
ニックネーム aimi at 11:51| Comment(0) | 過食症と他の疾患

2008年03月22日

過食症とアルコール依存、アルコール乱用の関連性

食事のコントロールがつかない「過食」だけでなく、飲酒も度を越してしまう場合が
あります。

飲酒しないと離脱症状(禁断症状)が出たり、飲酒習慣のために生活上十台な支障を
きたしたりする「アルコール依存」の場合もありますが、そこまではいかない
「アルコール乱用」のケースもあります。

境界性パーソナリティー障害のところでも述べたように、「度をすぎる」行為が
「食べる」「飲む」に集中するほかに、ギャンブル、性的行動などさまざまな
衝動的行為が見られる場合もあります。

イギリスのフェアバーンらの研究によると、一般人口では、飲酒問題がある人は
人口の2%なのに対し、過食症患者では、10%に飲酒問題があり、1%に薬物(麻薬)乱用、
23%に過度の禁煙が見られたといいます。

アルコール依存の人がアルコールに依存しているのと、過食症の人が食べ物に
頼っているのとは同様のメカニズムと考えて、過食症も「嗜癖」のひとつととらえる
考え方もあります。

確かに、なにかストレスを感じると食べ物に逃げてしまうとか、ときどき
どうしようもなく食べたくなるとか、類似した面はよくあります。

しかし、過食症の場合は、
過食の結果である「体重増加」を恐れるからこそダイエットをする
→ 無理なダイエットをするからその反動で過食する
→ 一番恐れていた体重増加が起きてしまう
→ そこでますますダイエットに熱中する
というサイクルがあります。

過食はしたくないという強烈な意思があるからこそ、それがいきすぎて普通の食事も
食べられなくなってしまい、空腹感がまた過食をもたらすという、出口のない
サイクルにはまりやすいのです。

アルコール依存の場合は、飲酒の結果の「酔った状態」を恐れるところから病気が
始まるとはいえませんし、過食症患者の方があくまでも細い体型を追求するのとは違って、
「しらふの追及」ということが病気の根本になっているわけではありません。

また、アルコール依存の場合は、飲酒後嘔吐して酔うのを防ぐ、といった打消し行動が
見られることもありません。

このような点から、過食もアルコール依存も「嗜癖」と大きくいっしょにまとめて
しまうことに反対する専門家もいます。

確かに、アルコールを「断固避ける生活」は不可能ではありませんが、
食べ物を断固避ければ即拒食であるという点は、アルコール依存とは違ったむずかしさです。
ニックネーム aimi at 12:02| Comment(1) | 過食症と他の疾患

2008年03月21日

過食症と解離性同一性障害

解離性同一性障害…、これは一般には「多重人格」という名前のほうが知られています。

一人の人間の中に、いくつかの違った人格が存在し、おもな人格の意識には
空白の時間があり、その時間には別の人格が行動している、というものです。

「解離」というのは意識的に亀裂があるという意味です。
人格の数はさまざまであり、2人のこともあれば、20人を越えることもあるようです。

過食症にこの障害が合併していることがあります。
すべての人格が過食をするというよりも、ある人格のときに過食が強く出ることが
多いのです。

解離性同一性障害がある場合は、過食症状を治療しようと思っても、
別の人格が治療に協力的でない場合もあるので、解離性障害のほうにもきちんと、
治療の手を差しのべるべきでしょう。

「食べているときは、いつもの自分と違ってワーッと食べてしまう」

「夢中で手首を切っていて、途中で気がついてはっとする」

などの意識の解離は過食症によく見られる現象です。
自分の中に
「よい子」の自分と
「悪い子」の自分がいる、
といった感覚もまれではありません。

しかし、これらの現象があるからといって、本人が知らないときにまったく新しい
人格が出てきて勝手に行動している、というのでなければ、多重人格とはいえません。
ニックネーム aimi at 11:20| Comment(1) | 過食症と他の疾患